地政学とは?
- 四々縦七
- 2021年12月2日
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地政学とは、「世界で起こってきた戦争の歴史を知ること」である。これは高橋洋一氏の定義だ。
高橋氏によると、地政学とは「地理の政治学」であり、要するに「地理的な条件が一国の政治や軍事、経済に与える影響を考えること」である。そして、地理的な条件とは、「領土やその周辺地域のこと」であり、領土といえば「国同士が争い奪い合ってきたもの」である。だから、地政学とは戦争の歴史を学ぶことである。
地政学とは『戦争の歴史を知ること』とだけ覚えてもらえれば十分なのだが、高橋氏の説明に簡単な補足をしておこう。
まず、多くの『戦争』においては戦争状態を終結させる講和条約(和約)によって領土の帰属が最終的に決定されるから『戦争と講和条約』が国の領土の帰属に変動が生じる主な理由であるというべきである。戦争とは、より有利な講和条約を結べるように遂行されるものなのだ。
次に、『戦争』以外にも国の領土の帰属に変動が生じる場合がある。アメリカがロシアからシベリアを買ったり、大日本帝国とロシア帝国が千島列島と樺太を交換したように、領土の購入(売却)や交換を合意する『条約』締結の歴史を知ることも地政学に含まれるべきだろう。
さらに、第二次世界大戦後に、ロシアが北方四島を不法占拠したり、大韓民国が竹島を不法占拠したりしたことも当然に地政学に含まれる。冷戦後では、中華人民共和国が南シナ海の諸島を不法占拠・軍事要塞化したり、ロシアがクリミア半島を併合した事例がある。
こういったことを念頭に置きつつ、地政学とは「世界で起こってきた戦争の歴史を知ること」と定義するのが第二の前提である。
第一の前提と合わせると、現代世界史における地政学とは、『18世紀末から現在に至る約250年間に、世界で起こってきた戦争の歴史を知ること』である。

参照文献:高橋洋一「世界のニュースがわかる!図解地政学入門」あさ出版
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